地球環境について本気で考えるブログです。
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ちょwwwwなんぞこれ
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/071022/erp0710220912003-n1.htm
これ見てはじめてハルヒをかわいいとおもった。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1417502
今日は午後からの授業だけだったんだけど激しく行きたくなくて仕方ないから冷蔵庫に微量に残っていた銀座カクテルをぐいっとやっていから部屋を出ました。ダメ人間・・・
ついでにアメリカ人に対する感情がどんどん悪くなっていく卑屈な日本人がここにいます・・・もう・・・もう~~~~!!!!!!!!!!!
あーーーなんにもしたくない。
あーナージャおもしれーなナージャ。双子プリンス(?)が萌えすぎるハァハァなんだこの久しく見かけない少女漫画王子キャラ×2。あ、久しく見かけないのは私がホモエロばっか読んでるからですか。そうですか。あーいやされるなーこの激しいご都合主義。
キースかっこいいよキースハァハァ フランシスが美人過ぎてこまるよーなんだよナージャよりよっぽど美人じゃんよーハァハァ 双子萌え~!ナージャとどうのこうのじゃなくてキース×フランシスを激しく希望。
なんでニコニコに最終話がないんじゃあああああああムッカァァァァアアアアどこにもねい!みつけられねい!ローズマリーはどうなるんじゃああああたぶんどうにもならないんだろうけどさ。
遠い昔、一昨年死んだ祖父が溌剌とした眼差しの青年であった頃、とても美しい剣士に出会ったそうです。
緑の髪と三つ連ねた耳飾り、それに獲物は刀を三本。
眼光鋭く四肢は屈強、だが危うげな艶がある。
その話をするときの祖父はいつも、まるで恋を知ったばかりの少年のように、すっかり削げてしまった頬を赤らめました。
一晩だけこの村、祖父の家にひそりと滞在し、礼と言って桃の種をひとつ置いて去っていったそうです。
その種は、どんな願いもひとつだけ叶えてくれるというのです。
ふと、私はその剣士の話を思い出しました。
それはまるで彼のようではありませんか、今日ふらりとやって来たこの人。
私はその日、いつものように、仕事をさぼって家の中でぐだぐだしていました。
私には家族がないけれど、幸い祖父の残しただだっ広い畑があって、それを他人に貸して耕させて賃料をもらっていたから、食うに困ることはない。
その上自分で言うのもなんですが、どうしてなかなか私は美人で、村のみんながちやほや私に気を遣ってくれるので、贔屓目にも辛い生活を送っているなどとは言えません。
けれども退屈な日々に倦んでいることも確かでした。
小さな村は若い私には狭すぎる世界ですが、ここを離れる度胸もなく、ただ時間が過ぎていくのをぼんやりと感じながら、少しでも刺激的な何かを待っていました。
待つだけでなにもしない私を、けれども誰も咎めません。
あの子は可哀想にひとりになってしまったから、塞ぎ込んむのもしかたないとさえ言うのです。
良く言えばいい人たちで、悪く言えば愚鈍で張りのない人々。
緑の髪と三つ連ねた耳飾り、それに獲物は刀を三本。
眼光鋭く四肢は屈強、だが危うげな艶がある。
その話をするときの祖父はいつも、まるで恋を知ったばかりの少年のように、すっかり削げてしまった頬を赤らめました。
一晩だけこの村、祖父の家にひそりと滞在し、礼と言って桃の種をひとつ置いて去っていったそうです。
その種は、どんな願いもひとつだけ叶えてくれるというのです。
ふと、私はその剣士の話を思い出しました。
それはまるで彼のようではありませんか、今日ふらりとやって来たこの人。
私はその日、いつものように、仕事をさぼって家の中でぐだぐだしていました。
私には家族がないけれど、幸い祖父の残しただだっ広い畑があって、それを他人に貸して耕させて賃料をもらっていたから、食うに困ることはない。
その上自分で言うのもなんですが、どうしてなかなか私は美人で、村のみんながちやほや私に気を遣ってくれるので、贔屓目にも辛い生活を送っているなどとは言えません。
けれども退屈な日々に倦んでいることも確かでした。
小さな村は若い私には狭すぎる世界ですが、ここを離れる度胸もなく、ただ時間が過ぎていくのをぼんやりと感じながら、少しでも刺激的な何かを待っていました。
待つだけでなにもしない私を、けれども誰も咎めません。
あの子は可哀想にひとりになってしまったから、塞ぎ込んむのもしかたないとさえ言うのです。
良く言えばいい人たちで、悪く言えば愚鈍で張りのない人々。
私は生きるために働く必要なければこの村でやりたいこともないので、ただただ若さを浪費するばかり。
そんなわけでぐうたらと、日焼けを避けて、私は家の中にいたのです。
そろそろ夕餉の用意でもしようかしらというときです。
家の外に足音がしました。
村の人たちが履く草履とは違う、硬質な音で、大股に地面を踏んでいます。
日中に働く人たちの、きびきびとした無駄のない足音とは違って疲れてだらけているか、或いは拗ねた子どものようなそれです。
好奇心で私は、猫の素早さで外に飛び出しました。
そこで私が見たのは、見かけない身なりをした青年で、突然現れた私を見て一歩あとずさりしました。
彼が一瞬鋭い目をしてこちらを見るものだから、みな畑に出ているこの時間、襲われたりしたらどうしようなんて恐怖がちらと頭をかすめましたが、どうにも彼はそういったことに興味のある人には見えません。
どちらかと言えば彼自身が、そらっとぼけた顔をして隙だらけなのです。
彼の腰の物さえ奪ってしまえばどうにかなるのではと思えるくらい、だらりとやる気のない様子です。
彼の姿の奇妙なことには、先ず腰に刀身の長さの同じ三本の刀をぶら下げ、上下に分かれた衣服を召しておりました。
ぴたりと体に張り付く白い上衣から、彼が屈強な体の持ち主と知れます。
下は乗馬に長けた遊牧の民が着るような黒のズボンで、足には皮の長靴を履いています。
そして腹には、おなかの弱い子どもがするような腹巻きの緑のものがつけてありました。
更に彼の髪は鮮やかな緑色で、目は赤茶、左の耳には雫形の飾りが三つ連なっていました。
こんな風貌の人は見たことがありません。
どこか遠くの国から来たのでしょうか、少なくともこのあたりの人間は皆黒い髪に黒い瞳をしているし、一枚布の着物に帯を締めるものです。
彼が何か言いたそうにしているので、思わず先んじて話しかけました。
「あなた、村の人じゃないわよね?どこから来たの?」
彼がなにも言わないので、もしかしたら言葉がわからないのかもしれないと思い当たりました。
けれども私だってこの国の言葉以外は知らないし、困ってしまって彼を見ていると、彼は言いにくそうに一言、
「すまねえが、飯を食わせてもらえねえか」
それから万国共通の言葉でもって、彼のおなかがぐうと鳴りました。
私は川べりに行って釣りをしている人を見つけると、彼が後ろを向いている瞬間を狙って籠から魚を数匹いただきました。
思いがけない客人に、私のいつもの粗食では申し訳ないと思ったのです。
そんなわけでぐうたらと、日焼けを避けて、私は家の中にいたのです。
そろそろ夕餉の用意でもしようかしらというときです。
家の外に足音がしました。
村の人たちが履く草履とは違う、硬質な音で、大股に地面を踏んでいます。
日中に働く人たちの、きびきびとした無駄のない足音とは違って疲れてだらけているか、或いは拗ねた子どものようなそれです。
好奇心で私は、猫の素早さで外に飛び出しました。
そこで私が見たのは、見かけない身なりをした青年で、突然現れた私を見て一歩あとずさりしました。
彼が一瞬鋭い目をしてこちらを見るものだから、みな畑に出ているこの時間、襲われたりしたらどうしようなんて恐怖がちらと頭をかすめましたが、どうにも彼はそういったことに興味のある人には見えません。
どちらかと言えば彼自身が、そらっとぼけた顔をして隙だらけなのです。
彼の腰の物さえ奪ってしまえばどうにかなるのではと思えるくらい、だらりとやる気のない様子です。
彼の姿の奇妙なことには、先ず腰に刀身の長さの同じ三本の刀をぶら下げ、上下に分かれた衣服を召しておりました。
ぴたりと体に張り付く白い上衣から、彼が屈強な体の持ち主と知れます。
下は乗馬に長けた遊牧の民が着るような黒のズボンで、足には皮の長靴を履いています。
そして腹には、おなかの弱い子どもがするような腹巻きの緑のものがつけてありました。
更に彼の髪は鮮やかな緑色で、目は赤茶、左の耳には雫形の飾りが三つ連なっていました。
こんな風貌の人は見たことがありません。
どこか遠くの国から来たのでしょうか、少なくともこのあたりの人間は皆黒い髪に黒い瞳をしているし、一枚布の着物に帯を締めるものです。
彼が何か言いたそうにしているので、思わず先んじて話しかけました。
「あなた、村の人じゃないわよね?どこから来たの?」
彼がなにも言わないので、もしかしたら言葉がわからないのかもしれないと思い当たりました。
けれども私だってこの国の言葉以外は知らないし、困ってしまって彼を見ていると、彼は言いにくそうに一言、
「すまねえが、飯を食わせてもらえねえか」
それから万国共通の言葉でもって、彼のおなかがぐうと鳴りました。
私は川べりに行って釣りをしている人を見つけると、彼が後ろを向いている瞬間を狙って籠から魚を数匹いただきました。
思いがけない客人に、私のいつもの粗食では申し訳ないと思ったのです。
釣りをしている人に悪いとは少しもおもいませんでした。
子供の頃から変わらない、これは私の一種の悪戯のようなものです。
普段の何倍もの量の食事を用意しましたが、彼はあっという間に全部たいらげてしまいました。
ついでに裏の蜜柑の木からいくつかもいでくると、それもぱくぱく食べていました。
彼に尋ねてみたいことがはたくさんありました。
けれども当然といえば当然ですが、何か聞いても食べるのに忙しい彼はだんまりで、なぜ神様は食べる器官としゃべる器官を同じにしたのかしらとじれったくてたまりませんでした。
食べるものがなくなると、やっと彼は口を開きました。
「ありがとう」
「どういたしまして」
微笑むと彼は照れたように首のまわりをひっかきました。
「いや、ちょっと道に迷っちまって、食い物はないし、ほんとどうしようかと思ってたんだ。温かい物を食うのは村を出て以来だ」
お茶を出すと、彼は嬉しそうにすすりました。
尋ねてみたいことが、たくさんあります。
「あなた、どこから来たの?名前は?」
「ロロノア・ゾロだ。桃の谷の向こうの村から来た」
「桃の谷?そんなの聞いたことないわ」
「かもな」
「どのへんにあるの?西の街よりもっと遠く?」
「よくわかんねえ」
わからないわけないでしょう、と咎めると、彼は心底わからないという顔をしました。
「ところでここはどこなんだ」
こんな質問をしてきます。
呆れたことにほんとの本気で迷子なのでしょう。
「西の街からずっと南に来た村よ」
「ふうん」
「あなたはどこに向かっているの?」
「とりあえず、強い奴のいる所」
「なあにそれ」
そんな適当な話、聞いたことがありません。
「強い奴ってどこにいるの?」
「それをお前に聞こうと思って」
え、と私が聞き直しますと、
「このへんで一番強ぇのはどいつだ?」
「この村にはたいしたのはいないわよ。そうね、西の街にいる白髪の大男。このへんで音に聞くのはそいつね」
「そうか」
彼は、いえ、ゾロは、うきうきしているようでした。
にやりと、悪そうに笑います。
普段の何倍もの量の食事を用意しましたが、彼はあっという間に全部たいらげてしまいました。
ついでに裏の蜜柑の木からいくつかもいでくると、それもぱくぱく食べていました。
彼に尋ねてみたいことがはたくさんありました。
けれども当然といえば当然ですが、何か聞いても食べるのに忙しい彼はだんまりで、なぜ神様は食べる器官としゃべる器官を同じにしたのかしらとじれったくてたまりませんでした。
食べるものがなくなると、やっと彼は口を開きました。
「ありがとう」
「どういたしまして」
微笑むと彼は照れたように首のまわりをひっかきました。
「いや、ちょっと道に迷っちまって、食い物はないし、ほんとどうしようかと思ってたんだ。温かい物を食うのは村を出て以来だ」
お茶を出すと、彼は嬉しそうにすすりました。
尋ねてみたいことが、たくさんあります。
「あなた、どこから来たの?名前は?」
「ロロノア・ゾロだ。桃の谷の向こうの村から来た」
「桃の谷?そんなの聞いたことないわ」
「かもな」
「どのへんにあるの?西の街よりもっと遠く?」
「よくわかんねえ」
わからないわけないでしょう、と咎めると、彼は心底わからないという顔をしました。
「ところでここはどこなんだ」
こんな質問をしてきます。
呆れたことにほんとの本気で迷子なのでしょう。
「西の街からずっと南に来た村よ」
「ふうん」
「あなたはどこに向かっているの?」
「とりあえず、強い奴のいる所」
「なあにそれ」
そんな適当な話、聞いたことがありません。
「強い奴ってどこにいるの?」
「それをお前に聞こうと思って」
え、と私が聞き直しますと、
「このへんで一番強ぇのはどいつだ?」
「この村にはたいしたのはいないわよ。そうね、西の街にいる白髪の大男。このへんで音に聞くのはそいつね」
「そうか」
彼は、いえ、ゾロは、うきうきしているようでした。
にやりと、悪そうに笑います。
けれども私はちっとも怖いとはおもいません、むしろ自分を試したがってうずうずしている少年のように見えるのです。
ゾロと時を忘れてしゃべっているうち、いつの間にかすっかり夜も更けていました。
夕餉の後に、村の若者で私への強い興味を隠さない男、私もそう憎く思っていない人が訪ねて来た時は、それでもやはりゾロのいることは伏せておきました。
けして留まることのないだろう彼に、余計な厄介ごとを増やしてやりたくなかったのです。
「泊まっていくでしょう」
「悪いな」
私の布団の隣に、かつて祖父が使っていた布団を並べて敷きました。
一夜誰かと並んで眠るなど久しぶりのことです。
「でもいいのか?」
「なにが?」
「さっきの男」
「彼とは何でもないもの」
「でも嫁入り前の娘だろう」
「気にしないわ。それともそういう気、あるの?」
なんの気なしに言いました。
それで誘おうとか、そういう気はまるきりなかったし、少しからかうくらいのつもりでした。
けれど彼は静かに首を振り、
「ここじゃ、子供は出来ない」
私は眉をひそめました。
どうしてか彼は、とても悲しそうな顔をするのです。
「どういうこと?」
「おれたちは、おれたちの村の中でしか子供が作れない。村の外でできた子供はすぐに死んでしまうから」
「どうして?」
「わからん。だから誰も村を出ない」
「あなたは出てきたからここにいるんじゃない」
「ああ、おれにはやるべきことがあるから」
ゾロは目を伏せました。
私は言ってやりました。
「野暮天」
彼はぎょっと目をむいてこちらを見ました。
「誰が子作りの話をしたっていうのよ」
それだけ言って私は頭から布団をかぶりました。
この状況で、男女がひとつ布団で寝ることそれ自体を目的と思わないなんて、なんて変わった男なんでしょう。
何事も無く朝はやってきました。
体を起こして左を向くと、ゾロはまだいました。
緑の髪、三本刀に異装の男は、とても静かに眠っていました。
私はふと、かつて祖父が話していたことを思い出し、家の裏に回りました。
家の裏には井戸があり、傍らにそう大きくはない桃の木が植わっています。
いつ頃だったでしょうか、私がまだ小さい頃に、祖父は種を植えました。
ゾロと時を忘れてしゃべっているうち、いつの間にかすっかり夜も更けていました。
夕餉の後に、村の若者で私への強い興味を隠さない男、私もそう憎く思っていない人が訪ねて来た時は、それでもやはりゾロのいることは伏せておきました。
けして留まることのないだろう彼に、余計な厄介ごとを増やしてやりたくなかったのです。
「泊まっていくでしょう」
「悪いな」
私の布団の隣に、かつて祖父が使っていた布団を並べて敷きました。
一夜誰かと並んで眠るなど久しぶりのことです。
「でもいいのか?」
「なにが?」
「さっきの男」
「彼とは何でもないもの」
「でも嫁入り前の娘だろう」
「気にしないわ。それともそういう気、あるの?」
なんの気なしに言いました。
それで誘おうとか、そういう気はまるきりなかったし、少しからかうくらいのつもりでした。
けれど彼は静かに首を振り、
「ここじゃ、子供は出来ない」
私は眉をひそめました。
どうしてか彼は、とても悲しそうな顔をするのです。
「どういうこと?」
「おれたちは、おれたちの村の中でしか子供が作れない。村の外でできた子供はすぐに死んでしまうから」
「どうして?」
「わからん。だから誰も村を出ない」
「あなたは出てきたからここにいるんじゃない」
「ああ、おれにはやるべきことがあるから」
ゾロは目を伏せました。
私は言ってやりました。
「野暮天」
彼はぎょっと目をむいてこちらを見ました。
「誰が子作りの話をしたっていうのよ」
それだけ言って私は頭から布団をかぶりました。
この状況で、男女がひとつ布団で寝ることそれ自体を目的と思わないなんて、なんて変わった男なんでしょう。
何事も無く朝はやってきました。
体を起こして左を向くと、ゾロはまだいました。
緑の髪、三本刀に異装の男は、とても静かに眠っていました。
私はふと、かつて祖父が話していたことを思い出し、家の裏に回りました。
家の裏には井戸があり、傍らにそう大きくはない桃の木が植わっています。
いつ頃だったでしょうか、私がまだ小さい頃に、祖父は種を植えました。
これはずっと昔に、大切な人からもらったものなのだと言っていました。
祖父の作業の手元をじっとのぞきこむ私に、
「お前を守ってくれるようにね」
と祖父は厳しい顔で言いました。
桃より早く祖父は死にました。
木は、ここまで大きくなり、ここ数年はようよう実をつけるようになりました。
と、そこへ気配がしたので振り返ると、ゾロが立っていました。
「この桃は、誰が?」
「私のおじいちゃんよ」
そうか、とゾロは青々とした葉に触れました。
懐かしむようにゆるりと目元を和らげます。
「じいさん、お前のことが大事だったんだな」
その言葉はとても不思議な響きで、覚えずぐっと胸が詰まるようでした。
全身に力を込めて耐える私の手を取って、ゾロはそこに一粒の桃の種をのせました。
「困ったことがあったら、土に埋めるといい。ひとつだけ願いを叶えてくれる」
手のひらにのせられたそれは、むかし祖父が後生大事に仕舞っていたものにそっくりです。
祖父が叶えたかった願いはなんだったのでしょうか、彼の柔らかな顔が全て語っているようで、私は目頭が熱くなりました。
祖父の作業の手元をじっとのぞきこむ私に、
「お前を守ってくれるようにね」
と祖父は厳しい顔で言いました。
桃より早く祖父は死にました。
木は、ここまで大きくなり、ここ数年はようよう実をつけるようになりました。
と、そこへ気配がしたので振り返ると、ゾロが立っていました。
「この桃は、誰が?」
「私のおじいちゃんよ」
そうか、とゾロは青々とした葉に触れました。
懐かしむようにゆるりと目元を和らげます。
「じいさん、お前のことが大事だったんだな」
その言葉はとても不思議な響きで、覚えずぐっと胸が詰まるようでした。
全身に力を込めて耐える私の手を取って、ゾロはそこに一粒の桃の種をのせました。
「困ったことがあったら、土に埋めるといい。ひとつだけ願いを叶えてくれる」
手のひらにのせられたそれは、むかし祖父が後生大事に仕舞っていたものにそっくりです。
祖父が叶えたかった願いはなんだったのでしょうか、彼の柔らかな顔が全て語っているようで、私は目頭が熱くなりました。
「世話になったな」
「もう行くの?」
「ああ、そのうちお前、世界一の大剣豪の噂を聞くようになるぜ」
ニッと笑う顔には決心が浮かんでいます。
世話になったと言いおいて、茫然とする私を背に、彼は去ってゆきました。
朝食くらい食べていけばいいのに、弁当くらい持たせてあげたかった、様々想いは巡るけれども、部屋に戻って几帳面に畳まれた布団を見たら、なんだか膝の力が抜けました。
彼は一体、祖父にも会った人なのでしょうか、だとしたら見た目に若すぎます。
まるで人外のものと出会ったようで、けれど恐怖はありませんでした。
私はきっとこれから、村の誰かと結婚し、子をもうけ、忙しくなり、こんなふうにだらだらとした日々があったことも、祖父に愛されふたりで過ごした頃も、まるで遠い過去と思うようになるでしょう。
こんなたった一晩の出会いなど、記憶の中で夢まぼろしになってしまうかもしれません。
それでも私は、いつかどうしようもない力で私の愛する誰かが脅かされるときには、この不思議な贈り物に力を借りようとおもいます。
祖父が、私にしてくれたようにです。
あれからどれくらい経ったのでしょう。
私は村の青年と結婚して、子供を三人もうけ、土仕事で爪の間がうっすらと黒ずむようになっていました。
いくら待っても三本刀の剣豪の話はこの小さな村には届いてこないものだから、私はいつの間にか彼のことをほとんど忘れてしまっていました。
だいたい私は彼が剣を振るう姿さえ見ていないのだから、強いかどうかも知らなかったのに、どうして彼が世界一になるなんて無邪気に信じていられたのか、自分の素直さに呆れさえしました。
ところがある日のこと、西の街で用事を済ませて帰った夫が、ある噂話を聞いてきました。
「なんでも恐ろしい海賊が現れたらしい」
我が国の水軍の力を持ってしてもちいとも太刀打ちできなかったそうです。
だいたい私は彼が剣を振るう姿さえ見ていないのだから、強いかどうかも知らなかったのに、どうして彼が世界一になるなんて無邪気に信じていられたのか、自分の素直さに呆れさえしました。
ところがある日のこと、西の街で用事を済ませて帰った夫が、ある噂話を聞いてきました。
「なんでも恐ろしい海賊が現れたらしい」
我が国の水軍の力を持ってしてもちいとも太刀打ちできなかったそうです。
「あら、いやね、物騒な話」
「世界政府に指名手配されているよ。これを明日、村長にわたさなくては」
夫は着物の合わせから数枚の紙を取り出して私に見せました。
それは海賊の手配書でした。
それは海賊の手配書でした。
「・・・随分とかわいらしいのね、最近の海賊っていうのは。笑ってるじゃない」
「その無邪気さが恐ろしいっていうんだ」
「そうね・・・あら」
その何枚目かを見て、私は思わずほほえみました。
緑髪異装のあの人が、その一枚にいたのです。
緑髪異装のあの人が、その一枚にいたのです。
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